今回は、人手が足りない状況下での効果的な教育方法について説明します。
人手が足りない中で、経験豊富なスタッフが新人教育に時間を割くほど、作業の進捗が遅れることが懸念されます。しかし、教育を怠れば状況は改善されません。つらい現状を維持するか、目の前が厳しい状況でも自分たちの能力向上につながる行動を取るか、その選択が重要です。
この場合、一つの重要なポイントがあります。自分たちが行う作業を最小単位まで分解しましょう。そして、一連の工程を一度に教えるのではなく、最小の作業から順番に教えていくことが効果的です。実際、一つの作業はさらに細かい複数の作業で構成されていることが多いです。
例えば、作業1を教え込むのに時間がかかるとしても、作業Aを教え込むのは労力が少なく済みますし、作業Aを任せることができるようになります。
効率は落ちるかもしれませんが、新人とベテランの時間のバランスを考慮しながら進めることも時には必要です。新人への教育では、教える内容の種類や難易度を制限することが有効です。あまりにも多くの情報を一度に詰め込むのは避けましょう。
簡単なことと難しいことを同時に教えたり、場合分けが必要な内容を同時に教えると、新人スタッフが理解しにくくなり、負担が大きくなります。集中して必要な、そして全体の作業割合が大きい部分を優先して教えましょう。
私の職場では二週間を一つの区切りとして大きなイベントを行っていますが、時にはメインスタッフの一日を無駄にしてでも新人に作業を教えることが良い選択であることもあります。実際、教育を行う際には、効率を極力考慮せず、新人が考え方や背後にある意図を理解できるようにすることが重要です。作業ロボットを量産することが求められる場面もありますが、教育の際には必ず「なぜその作業を行っているのか、行わなければいけないのか」を教えるよう心がけましょう。そうしないと、自発的に行動できない人材ばかりが増えてしまい、組織全体の力が低下します。
ここまで説明しましたが、この話は教育に限定されたものではありません。
実は、教育も個人の目標達成と同様のプロセスです。大目標、中目標、小目標があり、それらを達成するために作業A、B、Cを行っていくのと似ています。
状況によって細かな内容は変わりますが、物事を理解しやすく、達成しやすい単位に分解していくことは、基本的で重要なスキルです。ぜひ、このアプローチを試してみてください。